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会誌: 月刊『佐原だより』9月号の連載アーカイブス(佐原商工会議所)転載

佐原商工会議所が発行されます会誌『佐原だより』にて、昨年一年間でありますが連載「美しい佐原風景」を掲載しておりました。記事を転載致しますので、是非御拝読頂ければと思います。

=========================================================== 今年の夏は「猛暑」そのものの灼熱地獄でありましたらか、皆さん熱中症などは大丈夫だったでしょうか??実に辛い夏でございました。しかし、この暑さのおかげで「御米」の実りは例年よりも早く、豊作の金色に嬉しくなるものでございます。

ここ佐原は、江戸時代より御米と切っても切れぬ土地柄でありましたから、東日本最初の「早場米」産地として、実に縁起の良い初秋を迎えたわけでございます。新米というものは誰もが思い出の味として記憶する「塩おむすび」の美味さ、ほおばる喜びは外せないものでございます。そもそも「おむすび」と「おにぎり」の違いは、その語源と質に大きな相違があるものでございまして、「おにぎり」は、特に形状にこだわらず、少ない体積のなかにぎゅうぎゅうに詰込むように握った「握り飯」が語源でございます。その後、「おにぎり=鬼を切る」という魔除け祈願を込めるようになり、東日本を中心としての民話説として「おにぎり」の名が定着致したものでございます。しかし、「おむすび」となりますと、必ず三角形の山型でなくてはなりません。その答えは『古事記』に書かれておりまして、天と地が分かれたときに御産まれになった三柱の神々(天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、高(たか)御産(みむ)巣(す)日(びの)神(かみ)・神産(かみ)巣(むす)日(びの)神(かみ))に由来するものでございます。この高(たか)御産(みむ)巣(す)日(びの)神(かみ)と神産(かみ)巣(むす)日(びの)神(かみ)の名にもあります「産巣日(むすび)」とは天地万物を産出す神霊、または、その霊妙な力を意味でありますから、その神々と少しでも繋がりたいと思う人々の気持ちは、今も昔も同じでございます。山々におられる産巣日神の力を授かるために、米飯を山型に結んだことが「おむすび」の語源ということになります。

このように、最も身近な「おむすび」の語源を遡ることで、日本人特有の価値観と創造性を知ることができ、日頃の生活のなかで古代日本人が創作した美味しさを堪能できる。正に日本建国2673年の伝承の味が「おむすび」には含まれているのでございます。

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