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会誌: 月刊『佐原だより』7月号の連載アーカイブス(佐原商工会議所)転載

佐原商工会議所が発行されます会誌『佐原だより』にて、昨年一年間でありますが連載「美しい佐原風景」を掲載しておりました。記事を転載致しますので、是非御拝読頂ければと思います。

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早いもので今年も7月。まもなく「夏の土用の丑の日」を迎えるころとなり、今年は7月22日だとか。実に「鰻」を食するのが楽しみでございます。しかし、鰻を食べれば夏バテから活力回復をすると皆揃って鰻屋に殺到するものですが、実は何の意味も無い話でございます。こんな話は幕末の学者であります平賀源内が、夏に売れない鰻屋へ奨めた販促手法でありまして、それが大流行となりまして今や夏の風物詩になっただけのこと。昔なら夏バテ回復に一理ある話ですが、今の現代人にとっては、普段から過剰栄養(高蛋白質、高脂質)の状況なのですから、あそこまで殺到する必要はないものだと私なんぞは感じております。しかし、鰻というのは実に美味い。穴子は穴子であって、鰻ではならず。鱧は鱧であって鰻ではあらず。いつの時代でも鰻の美味しさに舌を鳴らすのが日本人だというものであります。意外と知られていないのが鰻の旬。鰻は真夏の印象が強いことから、旬は夏だと勘違いされていますが、実は寒中が一番美味しいものなんです。寒の土用の丑こそ鰻の旬であり、夏場の鰻と違って濃厚な味わいが楽しめるというものであります。日本人にとって鰻は旧石器時代から食してきた魚でありまして、江戸初期までは鰻のブツ切りを「串焼き」にし、山椒味噌や酢で味わっていたものでありました。正に「蒲の穂」そっくりの「蒲焼き」であります。江戸中期になりますと鰻を開くようになり、関東の下総国(千葉県銚子、野田、佐原)において濃口醤油が考案され、その普及に合せて「醤油ダレ」で焼かれるようになりました。ですので、今現在の「鰻の蒲焼き」というものは、ここ“佐原”様様の味といっても過言ではないなのです。

こんなにも身近な日本人の味なのに、こんなにも身近な佐原が影響しているとは、知ると知るだけ奥の深い佐原でございます。

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