茶屋花冠上川岸別邸 | 花冠

小舟が行き交う小野川の岸辺にたたずむ茶屋花冠３号店。かつて西洋ヘの憧れを抱き、夢見ていた時代のワクワクを再び伝えたい。令和という時代にあって、その土地の物語を求める旅に寄り添うものはなんだろう。そう考えたときに浮かんだのが、プリンアラモードでした。

茶屋花冠上川岸別邸と
プリンアラモード

小野川沿いの一等地で、かつて奈良漬を営んでいた商家。立派な蔵を持つ古民家が、数寄屋建築家の手で美しく蘇りました。二方向に窓があり、川沿いの柳を揺らす風がすっと部屋の中を抜けていきます。日が落ちると、灯油ランプの明かりに包まれるナイトラウンジに。幻想的な灯りが川面に映ります。

「茶屋花冠上川岸別邸」でおつくりするのはプリンアラモードです。「ア・ラ・モード」とはフランス語で「流行の」「洗練された」という意味で、昭和の戦前に大流行しました。デパートの食堂で、真っ赤なバラの一輪挿しが飾られたテーブルでいただくプリンアラモード。これほど夢のあるデザートが他にあるでしょうか。ゴンドラの形をしたガラスの器に、カスタードプリンと色とりどりの旬の果物をふんだんに盛り合わせます。千葉県や、川向こうの茨城県は果物王国です。メロン、イチジク、キウイ、イチゴ。冬はタルトタタンのベースにする焼きリンゴなど、季節の味わいが加わります。

でもこれで完成ではありません。特別にブレンドした塩とスパイスを「ちょい足し」するのが茶屋花冠流です。塩はミネラル分が強くほんのり酸味があると、果物との相性がよく、旨みをぐっと引き立てます。スパイスは味の変化をもたらし、どちらもプリンと果物をつなぐ存在に。まずは素材の味そのものを楽しみ、二口目は塩を足した深みある味わい、三口目はスパイスを振ることでより広がる香りをお楽しみいただけます。

カスタードプリンに使う卵を
ぜひ卵かけご飯で

プリンアラモードの主役を張るカスタードプリンは、地元の高品質な卵を複数ブレンドして使っています。その主体となる卵は、米ぬかや海藻などを混ぜて発酵させた穀物由来の餌を食べ、鶏舎で元気に駆け回る鶏が産むもの。味も香りもびっくりするほど濃厚ながら、臭みが全くなく、生食には究極の卵。だからぜひ、まずはこの卵を生で味わっていただきたいのです。卵かけご飯をプリンアラモードの前菜に。ぜひお試しください。

バニラの香りに頼らない
濃厚なカスタードプリン

千葉県は全国で３本の指に入るほど養鶏が盛んで、各農家がこだわりある卵づくりをしています。「茶屋花冠上川岸別邸」では、地元の複数の卵をブレンドすることで、バニラビーンズに頼らず卵の味わいだけで勝負できるカスタードプリンをおつくりしています。

主体となるのは、卵かけご飯でお出しする卵です。非常に香りが強く、味も濃厚なタイプ。ここに、加熱すると適度に固まる性質を持つ卵、深みのある甘味を持つ卵などをブレンドすることで、卵の風味が豊かでボディが強いプリンになります。プリンアラモードの主役は、あくまでもプリンです。果物の旨みに勝てるもの、かといって勝ちすぎず、バランスのよい味わいを目指しています。